早くも6月に入り、陽気は初夏の趣。
例年なら、梅雨入りの報道があり、沖縄からは早くも海開きの知らせが届き、夏の音楽フェスやライブの知らせに心ときめく時期だが、今年は新型コロナウィルス感染症の影響で、緊急事態宣言下の自粛ステイホーム生活が続き、宣言が解除された今も、不完全燃焼の半自粛生活が続いている。
もっとも、会社勤めの自分は恵まれている。
飲食店経営をされている方、フリーランスとして活動している方々、そして医療崩壊寸前の状況に置かれた医療従事者の方々は、それこそ押し寄せる感染と戦い、感染者の命を助けること、医療崩壊を防ぐためにはどうしたらいいかという、医療の死活問題と向き合いながら、日々生活している。
月々給与収入がある自分は何と気楽なことか、経営者の心中を慮ると、心が重くなる。
遅々として進まない補助金や生活支援の手続きを含めて、国を始めとする自治体の信頼度が地に堕ちた今回のコロナ渦で、それでも、人々は生活の中に楽しみや未来を見出そうと、この状況に順応し、或いはアイデアや工夫を凝らして生活を変えていこうとしている。
先日、医療従事者の方々への感謝を表すために、航空自衛隊ブルーインパルスが東京上空を飛行した。
病院の屋上に集まり、真っ青な空を見上げて手を振る姿を見たとき、何だか気力が湧いてくるのを感じた。
そうだ、こんな状況の中でも、上を向いて、力強く粘り強く生活を続けている人はこんなにいるじゃないか。
何年か前、ももいろクローバーZのリーダー、百田夏菜子さんが、札幌医科大学で講演した時の言葉を思い出した。
「私たちは、皆さんのように人の命を救うことはできません、ですが、人の命を救う皆さんの心を救います」
何という、嘘のない謙虚で力強い言葉だろうかと、その時感じた。
奮闘している医療従事者の皆さんを、東京上空から感謝と励ましの気持ちを伝えたブルーインパルス、店にお客さんを呼べないなら、テイクアウトで商売しよう、という飲食店の方々、次々に立ち上がる、書店や飲食店援助のためのクラウドファンディング、リモートライブを配信するミュージシャンたち。
みんな、やられてるばかりじゃない。自らのアイデアと工夫と、助け合いで、この状況を生き抜くために必死になっている。
いま、自分の手元には、ももいろクローバーZの春の恒例ライブ「春の一大事」、今年は福島のJビレッジで開催されるはずだった、その時に販売されるはずだったシャツがある。
その商品には、こんな言葉が添えられていました。
「これを身に着けて、また来年、元気に会いましょう!」
コロナウィルスは、いろんなものを、自分たちの生活から奪い去ったけれど、決して奪えないものもたくさんある。
それは、未来を信じる気持ちだ、希望だ。
そう、今こそ「未来へススメ!」
プロ野球もJリーグも、再び始動する。
出口はもう見えている。まだ不確かな光かもしれないけれど、確実に未来を照らしている光が。
【2020.5.31】