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コロナ禍のなかで、すっかり忘れていた。

野球、音楽ライブ、スポーツイベントに展覧会。

自治体からの自粛要請と、コロナ感染に対する不安からの集客減少。ライブイベントは、今年は「死に体」の様相を呈している。もちろん、飲食店や観光業界はじめ、どの業界も大打撃を受けているわけだが、それにしても、

ライブイベントがオンラインで実施されることにすっかり慣れてしまうくらいに、ライブイベント会場でのイベント参加は、まるでこれまでもそうだったかのように、オンラインイベントに置き換えられていっている。

例年、横浜スタジアムでのベイスターズの試合観戦が当たり前だったのに、今年は10月の28日、例年なら日本シリーズの時期に、まだレギュラーシーズンが行われている中、やっと初めて横浜スタジアムでの観戦となった。

エリアによって違いはあるものの、自分が座ったウイングシートの前ブロックは、1席おきのチケット販売になっていた。そして、マスク着用は必須、声援は禁止の貼り紙が。

野球観戦に来て声援を送れないなんて、とも思ったが、今夜はビールを飲みながら、球場の雰囲気を味わいながらののんびり観戦にしようと気持ちを切り替えた。が。

ベイスターズの攻撃の時、選手の応援歌に合わせて、いつもなら大きな声援を送っているファンが、手拍子で熱のこもった応援をしている。点数が入ればブルーのタオルを持って左右にかざし、制約のある中でも出来る限りの応援をしていた。

今ここにないのは、満員の観衆と声援だけ、という状況に、自分も観戦に熱が入り、試合展開に魅せられていく。気づけば、気を抜けば声が出てしまいそうなほど、目の前の試合に没入していた。

そうだ、これなのだ。

ライブの魅力とは、演者や選手だけでなく、会場にいるファンの熱を感じて、自分も巻き込まれながらその空気に取り込まれていく。その「場」の雰囲気に呑まれることこそが至福なんだ。

それがわかっただけでもこの日友人に誘われて浜スタに来て良かった。試合は10-6でベイスターズが勝ったし、それに、浜スタの売り子さんはQRコード決済対応で現金を使う必要もなし、この日はユニホームのプレゼントもあったし、試合は長かったけど、目いっぱい楽しめた。

「関内の駅前に貼ってある選手の写真4人のうち、3人がいないんだよね。」

友人が言っていた通り、山崎、今永、佐野は今現在試合に出られない。

満身創痍のベイスターズは、それでも来季も自分たちの気持ちをわしづかみにするだろう。

この横浜スタジアムに集うファンたちの熱がある限り。

[2020.11.2]

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