2015年2月21日、池袋HUMAXシネマズで、「幕が上がる」特別先行上映『来たよ!さぬき!』ももクロさぬき映画祭の幕が上がる を観てきました。
この日、香川県で開催中の「さぬき映画祭」の中で、ももいろクローバーZ主演の映画「幕が上がる」の上映と、ライブ&トークイベントがあり、それのライヴビューイングを池袋でも実施しているわけです。
時間より少し早く映画館に入って、いよいよ上映開始時間となった時、館内を見まわして、ちょっと違和感を持ちました。
池袋HUMAXシネマズの、この日上映されたシネマ1の収容人数は483人。
今の彼女たちの動員力なら、あまりにも小さいハコの規模です。
なのに、空席が目立つ。
フルハウスじゃないももクロのイベントなんて、目にしたことがなかったから、ちょっとびっくりしました。
金曜日の夜、ということを差し引いても、驚きでした。
お客さんは、圧倒的に男性が多く、女子ノフが少ない。そして、会社帰りの人が多いせいか、いつものカラフルな応援グッズを身にまとったモノノフの姿も少ない。
映画、というステージそのものが、ももクロにとってアウェーなのか。
そう感じさせる館内の様子でした。
でも、定刻になると、短い予告編の後、「幕が上がる」の本編が始まりました。
そして2時間後。
自分は、胸を何かに鷲掴みにされて、ギュッとされた気持ちを抱えて、エンドロールを眺めていました。
そして、エンドロールの流れる中、映像はさぬきの会場に変わり、そこでももクロがエンディングテーマを歌いながら登場しました。
湧き上がる拍手。
いつものように「Overture」のモノノフの声ではなく、作品に対する称賛の拍手の中で、彼女たちが登場。
そのまま短いライブの後、映画に関するトークショーを行って、映画を含めて3時間半のイベントは幕を下ろしました。
そして帰宅の途につきながら、思いました。
「今日のライブやトークショーで寄せられた応援は、いつものももクロメンバーに対してではなく、映画の中の登場人物の彼女たちの声援になっていた」
私の左隣の席にいた、紫のサイリウムを振っていたモノノフが、映画の後、有安杏果ちゃんに向かって、大きな声援を送っていました。
後ろの席の、ピンク一色の応援グッズを身にまとったモノノフが、玉井詩織ちゃんに向かってピンクのサイリウムを大きく振っていました。
私は、普段のライブやLVでも、推し色のサイリウムを持ったモノノフが、推し色じゃないメンバーに一生懸命応援の声を上げている姿を見るのが好きです。
ライブの最中は、色を変えられるギガライトで赤を点灯させているモノノフが、推され隊の曲の時には緑や紫に色を変えて応援する姿がとても好きです。
モノノフは、5人でももいろクローバーZなんだということをよーく知っていて、理解している。その証拠がこの応援風景だと、私は思っています。
そして、この姿勢が、ももクロとモノノフの結束を深め、一体感を醸し出す原動力なんだと思っています。
この映画についてもそうでした。
演じているメンバーひとりひとりの姿を見て、映画の中にちりばめられた、メンバーのこれまでの努力や経験と重なるようなエピソードや演出を感じて、感激して、感動している人がたくさんいました。
だから、感涙にむせぶ人はあちこちにいましたが、みんながどのシーンに反応したのかはまちまちだったように思います。
この映画には、おそらく演出側が、あえて泣かせようとして作っているシーンはないと思いました。
でも、この日、たくさんのモノノフが、いろいろなシーンで涙を流しました。
琴線に触れるシーンは人それぞれ、ですが、メンバー5人の、この映画を撮影した時点での「一生懸命」が、この映画の隅々にまで詰まっていて、モノノフの心は、その、あちこちにあるメンバーの懸命な姿や気持ちに反応したんだと思います。
そして、モノノフなら分かるであろう、これまでももクロを支えてくれた人たちへのオマージュのようなシーンもあちこちにあって、楽しませてくれました。
つまり、映画そのものは、素晴らしいと感じました。
おそらく、贔屓目もあるでしょうが、モノノフ以外の人にも届く映画ではないかと感じました。
でも、この空席。
「アイドル映画はヒットしない」というセオリーの前に、ももクロも敗れてしまうのでしょうか。
否。
いま、そんなこと、考える必要もないし、悲観する必要もないと思っています。
アウェーでの戦いは、ももクロもモノノフもお手の物です。
そして、ここ一番という時の彼女たちは、決して負けなかった。どんな壁も、力強く乗り越えてきました。
テレビの録画予約をして、ももクロというキーワードで検索すると、1年前には、1週間で3つ程度の番組しか出てこなかったのに、、今は10以上の番組が出てきます。
参天製薬や米久のCMをテレビで良く見ます。
セブンイレブンの店頭にも「幕が上がる」の横断幕がかかっています。
戦いは、いま始まったばかりです。
この映画で彼女たちが見せてくれたように、一生懸命に、この映画を応援することが、自分にできることなのだと思いました。
それに、この映画に込められた、メンバーやスタッフの気持ちや、一生懸命な情熱は、きっとモノノフ以外の人に届くはずです。
ももクロとコラボ曲を発表したバンド「KISS」のポール・スタンレーが、こう言っていました。
「コラボすることになって、彼女たちのライヴDVDを見て思ったのは、演出も素晴らしいけど、何より彼女たちが、音楽を超えて楽しそうだったこと。その気持ちがとても感じられたことだ」
彼女たちの楽しさや一生懸命さは、言葉の壁も超えて伝播していきます。
ましてや同じ日本人、国内でのこと。
案ずるな、前へ進もう。
そう、行けば分かるさ。
[2015.2.21]